労災保険の適用範囲
労災保険とは仕事上のケガなどに適用されるものですが、その適用範囲は非常にあいまいなものです。
それはいろいろな業務でいろいろな状況で、事故が起こるからです。
それは労災なのか労災ではないのか、それが労災事故かどうかを判断する労働基準監督署によっても違う場合もあるでしょう。
例えば美容院のアシスタント業務についていた店員がシャンプーや染料のついた容器の洗濯により手荒れで病院に行ったことが業務上の傷病と労災認定されたこともあります。
どんなことが労災と認められるのかをよく知らない人は多いと思います。
例えば仕事中に階段から落ちて骨折をしたら、それが仕事中であれば労災になります。
しかし、本人が労災の対象になると知らずに病院で「階段から落ちて」と説明したら普通に健康保険がきいてしまうかもしれません。
ここで会社で仕事中にということをきちんと説明しなければ医師に伝わらないことも多いのです。
医師によってはどこの階段かを確認しない場合もあるでしょう。
しかし、これは本人に自覚がなくても労災隠しとなります。
実際にこういったことは多いのではないでしょうか。
健康保険では3割の負担を払わなければなりませんが労災保険が適用されれば全額保険が負担するので自己負担はありません。
しかし、労災事故ゼロをモットーに掲げている会社などであれば小さな病気やけがでは申請しずらいことも多いのではないのでしょうか。
それは大きな会社ほどその傾向があるように思えます。
労災保険は正式名称は労働者災害補償保険と言い、労働者のための保険なのに本当に労働者のための役にたっているのかどうか疑問が残るところです。